【計画】
　３年ほど前に 武尊山 に登った際、明け方の皇海山の姿が印象に残った。 今は不動沢から日帰りできるが、やはり庚申山から鋸十一峰を越える道を辿ってみたい。 この場合、庚申山荘に１泊して翌日周回するのが一般的らしいが、２日目が慌しくなるのが難点である。 そこで１日目に庚申山を越えて行けるところまで行き幕営、との計画を立てた。

【山行記】
＜初日＞
　わたらせ渓谷鉄道の通洞駅からタクシーに乗り、かじか荘先のゲートまで入る。 ゲートからしばらく林道歩き。 一ノ鳥居（朱塗りの鳥居）から登山道になる。

　鏡岩までは緩々とした登り。 さらに緩々と上りきると視界が開け、立派なログハウス風建物の庚申山荘に出る。 山荘前にはベンチ、トイレ、水場あり。 バックは庚申山の大岩壁。 岩壁にはつつじらしいピンク色の花が所々に咲いている。

　水を補給して先へ。 山荘裏手から岩場の急登となる。 湧き水のしたたる岩壁の下をトラバースし、鎖場をこなすとお山めぐりの分岐。 傾斜が緩くなり樹林帯に入ると間もなく展望のない山頂につく。






　山頂から樹林帯を少し進むと展望が開けた場所に出る。 正面に皇海山が大きい。 テントスペースあり。 石楠花が咲き始めている。

　皇海山が奥の院とすると、信者たちはここから拝んだのだろうか？ 確かにここから見る皇海山はにすっくと立ちあがっている。 戸隠連峰から見る高妻山 のようだ。

　鋸山目指して出発。 展望台から下り、少し上り返すと御岳山の標識あり。 目立たない山頂。

　御岳山から少し下ると笹原に出る。 刈り払いされていないので登山道が笹に覆われて藪っぽい。 樹林帯に入って少し登り帰すと駒掛山。展望なし。

　駒掛山から下るとまた笹原。 笹薮をこぐようになる。 渓雲岳も目立たないピーク。

　次の地蔵岳も小さなピーク。

　薬師岳あたりからようやく視界が開けてくる。

　白山にはテントスペースあり。 展望も良好で、目指す鋸山から皇海山がぐるりと見渡せる。

　蔵王岳あたりから梯子、鎖が次々に現れる。

　剣ノ山からはもう一息で鋸山。

　ようやく鋸山着。 狭い山頂にテントを張る。 庚申山展望台からここまで誰にも会わず。 正面に皇海山、遠くに日光白根山、男体山なども見える。

　庚申山からたどってきた鋸十一峰も。 皇海山は少々もっさりした印象。 やはり庚申山の展望台から見る姿の方が均整がとれている。 山頂には山桜（？）が咲きかけている。






＜２日目＞
　翌朝、白白としてきたので、テントを撤収し、サブザックで皇海山目指して出発。 急坂を下りきる頃、ご来光。 下りきったところが不動沢のコル。 少し傾斜があるがテント数張りは張れそう。 正面に鋸山の鋭鋒が見える。

　コルから樹林帯の登りをこなすと傾斜が緩くなり、残雪が現れるようになる。







　皇海山山頂は北東面が開かれていてるが、ガスっていて遠くは良く見えず。

　少々休憩して下山開始。 コルまで下り、急登を登り返して鋸山山頂着。

　ザックをパッキングして六林班峠へ。 岩尾根を下ると笹原に出る。 ここも刈り払いされていないので登山道よくわからず。 所々に現れる四角い標識、テープをたよりに笹をかき分けルートファインディング。

　途中、三角点がある目立たないピークを通過。 女山だろうか？

　三角点からも笹をかき分けて進み、ようやく開けた六林班峠に出る。 焚き火跡が２つ。 正面、林間から庚申山らしき山が見える。 袈裟丸 方面を示す標識があり、かすかな踏み跡がついている。

　庚申山荘方面は刈り払いされた明確な登山道。 トラバース道なのだが、沢にかかる橋が壊れかけている所も。 一方で、登山道脇にはつつじが咲いていて、新緑とのコントラストが美しい。







　天下の見晴分岐手前で若い男女とすれ違う。 昨日の庚申山から久方ぶりに人にあった。

　トラバース道歩き２時間で庚申山荘着。 これで一周。
山道を緩く下り、林道を歩いてかじか荘着。 タクシー待ちの間、２日間の充実した山行を振り返った。